はじめに
歯と歯周組織の構造と痛みの原因
一般的な根管治療および根管充填
新しい概念による根管治療
次世代の歯槽骨の再生と回復
おわりに
 おわりに
今回は歯を主題として、歯周組織も含めた構造と疼痛の原因について述べました。次いで根管治療と根管充填の問題点を挙げ、新しい概念に基づく根管治療について解説しました。また、歯を取り囲む歯槽骨が喪失した場合の、骨の再生と回復についても症例を挙げて説明致しました。

歯という硬組織の治療を行なう場合、現在まで歯とは異質の素材(例えば、ゴム、酸化亜鉛ユ−ジノ−ル、金属、レジンあるいは薬品等々)を用いることが当然であり、また、これら以外の材料も見あたらないのが実状でした。基本的に、歯や骨はハイドロオキシアパタイト(HAp)と言われる結晶を主成分として出来ています。このことより歯に用いる材料にはHApに転化して歯質などの硬組織としっかりと結合して硬化するものであり、さらに隙間なく塞ぐだけではなく、なによりも生体に対する親和性の良いものが望まれます。CPCに代表される自己硬化性リン酸カルシウム(SHCP)は、これらの条件を満たすのみではなく、現在までの治療では解決出来なかった種々の問題をも、この材料を応用することによって解決可能な状況になって来ています。

特に、根管治療や知覚過敏症などの治療は臨床的に扱うことの多い処置であり、近頃では日本でも米国並みに根管治療の専門医の資格を持つDr.も増えて来ました。一般的に、この資格を持つDr.は根管治療(抜髄や根管充填も含む)を専門に行なっており、歯内療法専門医(Endodontist)と称されています。費用も米国では、ひとつの根管の充填処置までで1,000〜1,500ドル程するので、3〜4本根管のある臼歯では治療費が数十万円以上することになります。それ程にこの治療は基本中の基本の治療であり、根管治療を手抜かりなく行なえた上で初めてクラウンやブリッジの装着が行なえます。

日本では、この治療の重要性に対する認識が医療側も患者側も非常に低いのが実状です。結果として、治療の不備が術式のみではなく、材料の不適合などからも起こって来ます。以上のような問題の結果が、根尖病巣の形成という病状として現れて来るのです。このような治療の歯に対してクラウンなどの装着が日常的に行なわれており、患者さんは病状の進行を認識してないのが一般的現状のようです。

患者さんが不良な治療を現実として実感するのは、歯ではなく歯周組織に病巣(根尖病巣)が形成され、不快症状(腫脹、排膿、打診痛、温熱痛、等々)が自覚出来るようになってからです。しかし、自覚した時には保存的処置では手後れで、抜歯のような外科的処置をしなければならない症例がほとんどです。根管治療は日常的に普通に行なわれている治療です。この治療の不備によって起こってくる二次的病状に対して、医療側がもう少し真剣に認識をすれば、かなりの症例で外科的処置をせずに治癒するものと思われます。また、不幸にして歯の病状が周囲組織にまで進行して骨の喪失を伴ってしまった場合には、多くの症例でCP
Cのような自己硬化性リン酸カルシウム(SHCP)を応用することにより骨の再生を行なうことも可能な状況になってきました。

歯や骨が本来あるべき状況にまで回復をさせ、さらに、体に害のない処置を行なうことが望ましいことは申すまでもありません。CPCに代表されるSHCPを応用した治療は、これらの条件を充分に満たすものであり、歯や骨の本来の形と機能を可能な限り取り戻す治療法であると私共は考えています。
CPCによる根管充填や歯槽骨再生は
当院独自の安全で確実な治療法です。

次世代の歯槽骨の再生と回復