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日々の臨床において、抜歯や歯周治療などの処置は日常的に行われています。また、抜歯後は欠損部位を義歯やブリッジなどによって補う処置も、当り前の事として行われています。しかしこのような日常的に行われている処置は、その後に進行してくる骨の吸収や空洞化、隣接する歯の移動(傾斜、捻転、挺出etc.)、下顎管の変位、上顎洞の拡大、顎関節の変化(咬合の変化に起因する)、等々の二次的に起こる変化や病変には、医療側も患者さん側もあまり気を配ることなく、比較的安易に治療が行われたり、場合によっては見過ごされていることも多々あるのではないでしょうか。本報では、以上のような二次的に起こり進行してくる種々の問題に対してどのような概念で、どのような処置法があるのか、CPCを応用した症例と共に具体的に説明して来ました。
 パンフレット−1にも述べたように、人が本来有する筈の機能を可能な限り自然に近い状態にまで、回復させることが医療の理想であり、そのためにアメリカなどでは、基礎的研究の分野で多くの取り組みがなされ、実際にその結果が、臨床に応用され始めています。私共は少しでもこれらの新しい考えに立った処置法について、可能な限り一般の方々に知って頂きたい思っています。なぜなら、その処置を実際に行うかどうかについて、私共医療側が提示する事によって、患者さんは今まで諦めざるを得なかった症例や症状に対して、選択することが可能となってくるからです。特に、骨や歯は一度失うと、元には戻らないという問題を元々有しています。さらに、一旦羅患すると元に戻らないばかりか、必ず不可逆性に進行し先へ行く程処置は複雑で困難になります。よって、その症状を正確に把握し、総合的見地より治療方針を立てて対応する必要があります。失ったら、どういう変化がおこり、その後どうなっていくのか、また、そうなった場合の処置法には、どういう選択が有り得るのか、特に患者さんにとっては知っておく必要性があると思われます。その上での判断がなされた時に、より良い方向へとステップアップした形で、医療は進んでいけるものと思われます。なぜなら、我々医療側がいくら必要と判断しても、実際の決定は、最終的には患者さんによってなされることだからです。
 現在の一般臨床での硬組織疾患に対する処置法は、人工物による対処的、対症的療法で諦めざるを得ないのが実情です。自然のままのものに勝る材料はないのであれば、骨や歯のような硬組織の存在が難しいような症例でも可能な限り残していくことが大切だと思われます。また不幸にして骨や歯を失った場合、さらなる骨の吸収が将来的に起こることも考えあわせ骨補填やインプラントのような処置を行った方が良い場合が多々あると思われます。なぜならば、人が本来有していた機能を回復させることが医療の本質的な目標であり、また患者さんにとっても最善の状態だからです。特に硬組織の場合、前述したような喪失後の問題を考えれば、可能な限り自然の状態に近いところまで、形態及び機能を回復させる必要性があります。リン酸カルシウムを主成分とするCPCや新しいタイプのCPC(New−CPC)は、以上のような硬組織疾患の問題を根本的に解決する可能性の大きな材料であると、私共は確信して研究および臨床を行っております。
 私共は、今まで述べて来た医療概念が少しづつでも多くの人に理解され、浸透して行くことを期待しています。それは、対処的、対症的療法で終結していた医療が根本的に変わり、自然に近い状態での機能回復へと医療が変換していく過程であり、これこそが本質的な治療への第一歩であると考えるからです。 |
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