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| 歯の再植の項のFig.1に示すような外傷性咬合や歯周炎に起因する歯周病の場合、歯槽骨が失われ歯が動揺したり、さらには歯根が露出し、ついには歯のみならず、それを取り囲む骨まで失ってしまう症例が多くあります。このような症例に対して、種々の処置法が行われてはいますが、完治したという症例はほとんど無いのが現状のようです。なぜならば、ここまで述べて来ておわかり頂けたと思いますが、歯周病の根本的な原因は骨の喪失によるものだからです。現在は、骨を失うのを予防するという目的でプラ−クコントロ−ル(ブラッシング指導etc.)や歯周治療が行われていますが、骨を元に戻すという根本的な処置法はありません。また、骨の吸収の最大の理由の一つには、骨に加わる過剰な咬み合わせに原因があり、これにより急激な骨の喪失が起こっているという現実が、あまり知られてはいないようです。事実、歯を支える歯槽骨がその厚みと高さ、そして密度を失う(骨の空隙化)に従い、歯を囲む残った骨に対する負担は増加し、一定の限度を超えると、骨を吸収する細胞(破骨細胞)の出現と増加により、骨の吸収が急激に起こります。骨が一旦失われると元に戻ることはないので、それ以上の骨の吸収や喪失を防ぐための予防的処置法しか残されていません。 | |||
![]() ■Fig.1-a/術前 ![]() ■Fig.1-b/術中 ![]() ■Fig.1-c/術後 |
以上のような症例に対して、CPCを応用して治療する方法について、ご紹介致します。まず、イヌを用いた実験について、ご紹介致します。
Fig.1−aに示すような歯槽骨の欠損を持つ部位に対して、bに示すように、一方には市販されているHApの粒子(粒径0.5〜1.2mm)を骨材として入れ、他方にはCPCの粉末を填入し、縫合しました(Fig.1−c)。市販HApは現在臨床で汎用されているものを使用しました。Fig.2には、以上の歯槽骨充填の術式についての模式図を示しています。 |
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![]() ■Fig.2 |
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| Fig.2には、以上の歯槽骨充填の術式についての模式図を示しています。 | |||
| Fig.3−a,bが1ヶ月経過後の病理所見による、骨の再生状態です。aにはHAp粒子、bにはCPCによって填入された症例を示しています。aのHAp粒子で骨の補填を行 った方は、既に歯周ポケットを形成し上皮といわれる細胞が内部に侵入しており、填入された筈のHAp粒子をほとんどが排出されています。bのCPC補填部位は、歯周ポケットの形成もなく補填した欠損部の全面に対して骨の形成が行われています。この傾向はFig. 4−a,bの術後6ヶ月となるとよりはっきりした違いとなって現れます。すなわち、市販HApでは、深いポケットの形成と粒子の脱落や移動が見られるのに対して、CPCでは歯槽骨欠損部の全域に、完全な骨の形成が認められました。このような結果が得られたので、CPCを実際の臨床に応用しました。現在CPCは、既にFDA(米国食品医薬品局)で、外科処置の骨材として認可され商品化されています。 |
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![]() ■Fig.3/市販HAp:術後1ヶ月 |
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| Fig.5−aは、術前の下顎臼歯部の歯槽骨の欠損部を示しています。臨床写真の右にはそのX線写真を示しました。bに示すように、この部の歯石および不良な肉芽組織を除去して、新鮮な骨面を露出させ洗浄した後に、CPCを骨欠損部に対して、必要とされる状態まで填入しました。cは6ヶ月後の状態です。歯肉が元の健全な状態に回復しているのみではなく、X線に示されるように歯槽骨も形成されており、骨の回復がなされていることがわかりました。以上、CPCの歯周疾患への応用について動物の治件および臨床応用について述べましたが、近年においてはさらに、骨への転化が速く起こる新しいタイプのCPCも開発され、研究がなされています。このように、現在まで骨の吸収によって骨の存在すら危ぶまれ、また、スケ−リング(歯石除去)やブラッシングおよび従来の歯周治療等の対症的療法では、根本的な回復が不可能であった歯槽骨の回復が、CPCの応用によって可能な状況になりました。 | |||
![]() ■Fig.5-a/術前 ![]() ■Fig.5-b/術中 ![]() ■Fig.5-c/術後 |
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| 歯の再植 |
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